2017. 03. 27  
 ブログ拝見させて頂き、大変勉強になります。
 難渋している患者さんがおりまして、質問をさせて頂きたいと思います。
 他院にて腱鞘切開術(右示指MP関節掌側)を行った方で、術中より痛みを徐々に感じたようで、術後は、腫れや痛みが広範囲に出現したとのことでした。
 2週間後、抜糸したのですが、化膿しており術部に膿が溜まってしまったようです。抗生剤をその後2週間行いましたが効果なく、薬を変えて再び2週間行った所状態が良くなり、抗生剤を終了されたようです。
 しかし、2か月間変化がなく当院に受診されリハビリのオーダーがありました。リハビリはなかなか進まず、示指の腱を軽く押すだけで徐々に腫れが出現し、冷やすと痛みが増すとのことでした。また、橈骨動脈を圧迫すると術部周囲に痺れが出現しました。日常生活では、水など冷たい物をふれると肘内側に強い叩打痛を覚えるとのことです。旦那さん、息子さんにサポートをしてもらいながら過ごしています。茶碗洗いなどの動作後、術部が赤黒く腫れ、手指まで動かしにくくなるそうです。リハビリは、軽い可動域EXだけを2回行っただけです。最近は、ノイロトロピンという薬で症状が緩和・消失してきました。



 ご訪問ありがとうございます。
 難しい症例ですね。腱鞘切開出後に感染されたということから、腱癒着は広範囲なものになっていると思われます。腱癒着のみであれば痛みや叩打痛は生じません。指が動かない、硬いといった運動障害が中心になると思います。

 神経性疼痛が二次的に生じているように思います。橈骨動脈のすぐ尺側は橈側手根屈筋腱、その隣には正中神経が走行しており、正中神経の何らかのストレスによるしびれなのかもしれません。

 茶碗洗いで手が腫れて動かしにくくなるとあります。多くの方は茶碗を洗う際にはお湯を使いますので手も暖まります。血管が拡張しての腫脹が増悪しているのかもしれません。また、茶碗洗い動作が下垂手となるため浮腫が増悪しているのかもしれません。
年齢が不詳ですが「旦那さんと息子さんにサポートしてもらいながら」とありますので、50歳前後でしょうか。閉経期の女性、腱鞘炎、手の腫れとなれば手根管内圧が高まっての手根管症候群も推測されます。

 冷たいものに触れると肘内側に叩打痛とあります。肘内側は尺骨神経が走行します。冷たい物に触れて筋緊張が増して尺骨神経に圧迫が入るのでしょうか。

 色々と推測できますが、腱鞘切開術後の感染では、浮腫と腫脹、関節拘縮、腱癒着が想像できます。浮腫は高挙手を徹底させ、腫脹は熱感を併発しますので20度の水温で冷却します。冷やすと痛みが増すとありますが、今の時期の水道水は15度前後ですので冷たすぎます。熱感があれば冷却をお勧めしますが、逆に冷たいようでしたら体温位の温水(36度)で温めて自制内の関節可動域を健手で行わせるのが無難に思います。

 情報が限定的なのでこれ以上はお伝えできません。
 症例の主訴。浮腫と腫脹・熱感。示指、手関節などの自他動の関節可動域。しびれや感覚障害の範囲。疼痛部位などをお知らせいただければ、もう少し踏み込んだアドバイスができるかと思います。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
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