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2016. 11. 11  
 Subclinicalとは、器質的に障害はあるものの、臨床的に症状を呈していないと定義されます。
 つまり、自覚症状はないけれど、他覚的所見を認めるということです。


 手根管症候群が疑われると神経伝導速度検査で神経の伝導状態を確認します。
 検査は通常両手で行われます。その際に、しびれていない側の手に異常所見を認めることがあります。しびれという自覚症状は無いのですが、手根管症候群の重症度の一指標となる短母指外転筋の終末潜時の延長を認めますので、Subclinical CTSと診断されます。
 Subclinical CTSと診断しても積極的には治療しません。夜間痛や起床時のしびれという自覚症状が生じはじめたら受診するように勧める程度です。


 手術後、後療法を開始して間もなく腱鞘炎が発症する例を経験します。このような例はけっして少なくありません。
 これまで術後に腱鞘炎を発症する例は、リハビリと称して頻繁に自動運動を繰り返した結果と解釈しておりました。リハビリを処方するとすぐに腱鞘炎を作ってしまうとまで言われた時期もありました。

 術後すぐに腱鞘炎を認める例を経験したことから、Subclinicalな腱鞘炎によるものではないかと考えるようになりました。
 多くの例で非手術側の手にも腱鞘炎所見を認めることが出来ます。
 潜在性に腱鞘炎があり、外傷や手術による手の浮腫や腫脹が腱鞘にも波及し腱鞘内腔が狭窄し腱滑走により腱鞘がしごかれ、腱鞘炎が発現されたのだと思います。


 橈骨遠位端骨折後のリハビリでの遅発性に正中神経障害を呈する手根管症候群も、Sub-clinicalな腱鞘炎ないし手根管症候群の結果の症状発現と考えられるのではないでしょうか。


 そうしますと後療法を進めていくうえで術後の合併症対策とリスク管理に加え、Sub-clinical対策も必要になるのだと考えます。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
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