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2016. 09. 14  
 単独損傷した指神経の縫合例と再接着指例の知覚回復では、前者の方で早く改善を認めるとの報告があり、臨床において確認していることだと思います。
 再接着指では血流再開までに長時間阻血状態に置かれ、再接着後でも継続的な乏血状態であり、軸索再生の妨げや末梢側の阻血性変化により知覚の回復が遅延すると言われております。

 神経には血流が必要です。

 末梢神経障害例に対して神経滑走運動をおこないますが症状誘発の意味を理解する必要があります。
 絞扼性神経障害の病態は、神経の圧迫(固定)と圧迫による神経滑走制限です。神経が何らかの原因で固定され滑走が制限されると、関節運動により固定された神経には緊張が生じ血流が妨げられます。神経は阻血状態となり、結果、症状の誘発となります。

 誘発検査の多くは、神経に圧迫や牽引を加え阻血状態にして症状の誘発を観ます。
 
 固定された神経は特定の肢位により容易に阻血状態になることを理解することは、関節の可動域の拡大や腱の滑走運動、筋のストレッチで「神経にとって優しい肢位」を意識することになります。


 手根管症候群を合併した橈骨遠位端骨折例。
 手関節可動域運動の際、肘関節の角度に注意を払うべきです。
 肘伸展位で正中神経に緊張が加わり、手関節の背屈でより緊張が増します。過緊張の正中神経は阻血状態に陥りしびれが誘発されます。セラピストが正中神経に対して「優しい肢位」を意識しなければ持続的に緊張が加わり正中神経の麻痺が進行する可能性があります。手関節の背屈角度が拡大しても正中神経領域のしびれが増悪するようであれば片手落ちとなります。麻痺の進行を可及的に回避するためには、手関節の背屈運動の際には肘屈曲位で行うべきです。
 それでもしびれの増悪を訴えるならば、肩関節90度屈曲、頚部屈曲で同側側屈または回旋位を追加します。可動域を拡大したい関節以外は減張位とします。


 手根管症候群を合併した胸郭出口症候群例で、夜間固定のスプリント装着でしびれが増悪することは珍しくありません。つまり手指伸展位としたことにより正中神経は緊張するため、肘を屈曲して緊張減を図ります。これでもしびれが増悪すようでしたら一旦スプリント装着を中止し斜角筋間での腕神経叢の滑走を拡大する必要があります。
 しびれが増悪しているということは正中神経が阻血状態に陥っているということですので、圧迫や緊張の有無を確認して取り除く必要があります。

 単関節運動から多関節でコントロールする筋の伸縮、腱の滑走に加え、起始が脊髄で停止が手指の末端である神経の滑走を取り入れることでこれまで以上の運動器のセラピィ効果を得ることが出来ます。

 セラピィ施行中にしびれを訴えられたら、その領域の神経の減張位を図ってみてください。しびれは神経の悲鳴です。酸欠状態にあると理解して下さい。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
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