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2016. 03. 15  
 リウマチの手指伸筋腱皮下断裂の修復後の後療法の一つに、手技が簡便で安定した成績を収めることができる石黒法があります。

 この石黒法は、減張位を図るという理由で橈側指に尺側指を乗せるテーピング法が推奨されておりましたが、その後、石黒先生自らが乗せる必要がないと述べられ、症例にとっては窮屈な思いをせずに6週間のテーピングとなりました。

 この石黒法でのテーピング固定により減張位を図るという刷り込みがあり、私にとってこの“減張位”というキーワードには違和感があります。

 例えば、環指と小指の伸筋腱が断裂した場合、中指の伸筋腱に環指と小指の伸筋腱を縫着。後療法としては、小指を環指に、環指と小指を力源となる中指にテーピングで固定する。その状態で手指の屈伸運動を制限なく行い、腱滑走を促していきます。術後の合併症である腱癒着を予防する必要があります。
 
 徒手的には、中指を他動的に屈曲した状態で環指と小指の他動屈曲を行いますが、中指の他動屈曲を先行することにより減張位を図ります。これが私にとっては石黒法の減張位だと思います。

 中指を他動屈曲すると腱縫着部は末梢に滑走します。環指と小指の伸筋腱の緊張は緩みます。減張ですね。ですから、環指と小指は安全に他動屈曲できます。
 伸展では、他動であれば減張ですが、環指と小指を屈曲したまま中指のみの自動伸展では腱縫着部の緊張は増します。減張位のためには、中指と環指、小指が同時に伸展されなければなりません。

 このようなことから、石黒法=減張位というより、テーピングで中指と環指、小指を一つにまとめて同時性を確保することで、単独運動に伴う腱縫着部への過緊張を防止すると解釈できます。

 ですから、テーピングで中指と同時の屈伸運動することにより減張位が図れるということでなく、単独指の屈伸運動による過度な緊張を避けるためのものなのです。

 そうしますと、テーピングの固定はタイトにする必要がなく、中指と環指、小指の屈伸運動に同時性が確保できるくらいのラフな固定でよいということになります。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
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