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2015. 11. 21  
 年末にフィジオ運動連鎖アプローチ協会主催の「疼痛の評価とその臨床的意義」PART2 で、『CRPSのpitfall -鑑別を要する腱鞘炎由来のStiff hand-』について講演いたします。

 私自身、CRPSと確定診断出来た症例は3例しかおりません。
 腫脹、拘縮、痛みを呈する例で腱鞘炎由来のStiff hand例やアロデニアを呈した胸郭出口症候群(TOS)が、CRPSと診断されてリハビリに回ってきました。
 CRPSは早期発見早期治療が大切なのでover diagnosisとなってしまいがちですが、治療方針を明確にするためにも確定と鑑別は重要です。

 腱鞘炎もTOSもセラピィ内容はCRPSと異なります。

 腱鞘炎では炎症を鎮静化し腱鞘の拘縮を取り除き、腱の滑走を拡大することにより改善します。

 TOSでは斜角筋を緩め腕神経叢の絞扼を解除し、神経の滑走を拡大することにより改善します。

 手根管症候群(CTS)が疑われる例に対して神経伝導速度検査を行っております。
 600例中23例(3.8%)でCTSを否定しTOSと診断しました。この23例はPhalenテスト、Nerve compression テスト、手根部のチネルサイン陽性、母指から環指橈側のしびれで、どこから見てもCTSでしたが神経伝導速度検査で否定されました。
 そして、TOSの誘発検査と緩解検査で陽性を示しTOSと診断されました。そして、TOSリハで緩解しております。
 100人に4人でTOSなのにCTSと診断されていることになり、確定診断と鑑別診断が大切であることがお判りになると思います。

 よくあることですが、CTSなのに頚椎症と診断され半年くらい頚椎の牽引に通院していたと転院してくる例は珍しくありません。確定診断でなく思い込み診断なのです。

 「CTSとの診断は容易」と聞きますが私は決してそう思いません。
 教科書的な例ばかりではありません。鑑別があっての確定です。セラピストは診断の補助として各評価を行いますが、その過程で鑑別を意識していくことが求められます。

 CTSと確定する前に前腕から上腕部位でのチネル様サインとMorleyテストを診るだけでもTOSとの鑑別が可能です。時間的に10秒くらいの作業です。


 話はCRPSに戻しますが、CRPSと確定する前にCRPS様の疾患と鑑別しなければなりません。
 橈骨遠位端骨折後にCRPS様の腫脹と拘縮、痛みを呈する例でも、腱鞘炎の存在を証明できればCRPSは容易に否定できます。
 腱鞘炎由来のStiff hand例には冷却がとても重要ですがCRPS例には交代浴を推奨する論文が多くあります。冷却と交代浴では真逆なことです。
 腱鞘炎例への温熱療法は腫脹増悪となり治療効果どころか医原性の拘縮となる可能性があります。
 評価を解釈する上で、鑑別作業を行うことは類似疾患により判断を誤らせないためにも必要なことだと思います。回りくどい表現となりましたが、要は、確定診断するには鑑別診断が不可欠であるということです。
 ”true”なのか”disputed”なのか、区別する必要があります。


 以下、フィジオ運動連鎖アプローチ協会ホームページからの抜粋です。

 「痛みの運動連鎖セミナーpart1」においては(8月30日開催)、多くの参加者(70名)が集い、生理学・神経科学。運動連鎖の観点から4名の講師陣により痛みについて解説がありました。アンケートからも痛みに対する解決への思いと、今後の期待の声が多く聞かれました。前回を受けてpart2においては、「評価と臨床の意義」をテーマに掲げ、3名の講師陣からの企画を立ち上げました。今後、痛みのセミナーとしてシリーズ化していく講座となる予定であり、さらに継続して学ぶ機会が必要の場を作っていきたいと考えています。定員に限りがありますので、お早めにご応募ください。

 日時:平成27年12月27日(日) 10:30~16:30
 会場: 専門学校社会医学技術学院2F 4番教室
   〒184-8508 東京都小金井市中町2-22-32
   電話:042-384-1030 042-384-1030
 募集:50名

 【タイムスケジュール】 
10:30~12:00 『疼痛閾値の診断・評価方法とその意義』
  塩澤伸一郎  (日本リハビリテーション振興会・専門学校社会医学技術学院 教員) 
(要旨)筋骨格系疼痛は運動制御を変化させるということを生理学的な観点からお伝えしてきました.筋骨格系疼痛の強度とは疼痛閾値の変化によって変わります.その疼痛閾値を臨床で把握するための方法を参加者の皆さんへお伝えします.

13:00~14:30 『CRPSのpitfall -鑑別を要する腱鞘炎由来のStiff hand-』
  阿部幸一郎(東京手の外科・スポーツ医学研究所.作業療法士.認定ハンドセラピスト. HAND maintenance studio(代表)) 
(要旨)手の浮腫・腫脹、熱感、こわばり、痛み、拘縮と一見するとCRPSを疑ってしまう腱鞘炎由来のstiff hand(拘縮手)を経験することは稀なことではありません。この腱鞘炎由来のStiff handとCRPSの臨床像が類似しているため鑑別が臨床上とても重要となってきます。腱鞘炎の鎮静化を図るためにアイシングが不可欠ですが、腱鞘炎を見過ごしてしまうとセラピストも患者も温熱療法をしてしまい、意に反して症状を増悪させてしまうことになります。
今回、CRPSのPifallとして、CRPSとの鑑別を要する腱鞘炎由来のStiff handについて解説いたします。

14:45~16:15 『症例報告』スポーツ障害における痛みの機序と考え方
  山本尚司 (一般社団法人フィジオ運動連鎖アプローチ協会代表)
(要旨)オリンピックを間近に控え、スポーツ障害に対する関心はますます高まっています。スポーツ動作は一言で言うと、身体を加速度と慣性にて推進させていくアクティビティです。よってアプローチの原理原則は、推進力という観点に集約できるのです。スポーツ障害における痛みに対して、どのような共通認識にて見ていくべきか!そのような提言の場としていきたいと思います。

 参加費(税込):一般 10,000円  学生3,000円

 【申し込み先】 
  PKAA事務局 担当 薮下 享江(やぶした ゆきえ)
  undourensaapproach@gmail.com
  氏名(ふりがな)・経験年数・職業・所属・を明記。
  件名に『痛みの運動連鎖セミナー2』としてください。
  ・携帯やフリーアドレスの場合、メールがブロックされる場合や迷惑メールになってしまう場合があります。必ずセキュリティーを確認した上でお申込みください。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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