2015. 10. 29  
 手根管症候群の保存療法としてのハンドセラピィは、滑膜の腫脹を軽減し絞扼されている正中神経の滑走を拡大させることだと考えています。正中神経の除圧を目的とする横手根靭帯の開放とは根本的に異なります。

 当然全ての例ではありませんが、手術療法としての横手根靭帯の切離では、正中神経の絞扼は解除されますが滑膜の腫脹は手つかずの状態です。正中神経の機能が改善しても屈筋腱の滑走制限や手のこわばりが残存している症例がいるものと考えます。後療法として腫脹の改善を図る必要があるものと考えます。

 CTSのセラピィの基本は、症例が自ら自分の手を管理するということです。セラピストにしてもらうでは改善しません。病態を理解してメンテナンス方法を修得する。そして、永続的にメンテナンスを加えていくことで再発の予防も図ります。
 人任せであってはいけません。
 3回ぐらいの指導で自己管理ができるようになりますので、問題なければセラピィは一旦終了します。そして、3か月後に効果判定をします。

 効果判定には自覚所見(症状)と他覚所見にて行います。
 自覚所見は、しびれと痛みのVAS、DASH
 他覚所見は、SWT、神経伝導速度検査
 
 しかしながら自覚症状が改善していても他覚所見が進行している例もあります。
 CTSに特有な夜間痛は初期に認めますが、進行することにより軽快することがあります。自覚症状が楽になれば改善したものと判断してしまいますが進行したにすぎません。ですから必ず他覚所見もとる必要があります。

 ある症例です。
 神経伝導速度検査で手術適応と判断されましたが保存療法を希望されたため夜間固定し1か月後に効果判定しました。
 自覚症状は軽快したのですが他覚所見は増悪しておりました。結局、内容を説明し手術を促しました。

 このような例もあるので、効果判定はかならず自覚所見と他覚所見の二方向から行う必要があります。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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