2015. 09. 10  
手根管手術 術後
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 はじめまして。
 ○週間前に両手手根管開放手術を受けた○歳の○○です。
 ○年初めに両手母指cm関節症になり、今年からハンドセラピストにより装具の着用しつつ状態が落ち着いてきていたのですが〇○の仕事があるたびに悪化し○頃より手の痺れを感じ始め、○月には痺れが強く眠れない日々となりました。
 主治医から手根管症候群を併発していることを告げられました。
 進行が速いし、仕事が両手を酷使するものなので早めの手術を勧められ・・一部省略・・施術に挑みました。
 手根管症候群に気が付いてくれたのは、ハンドセラピストの先生でした。
 しかし、チームで治すと言っていたにも関わらず、ハンドセラピストの先生には手術することは伝わっていませんでした。

 ご相談したいのは、これからのリハビリの仕方と症状の変化です。

 リハビリに関しましては、手術前の診察くらいからハンドセラピストはノータッチになっています。
 理由は○○を続ける以上、対処療法しかないのでドクターと今後の治療方針をきめてくださいと言われ、リハビリは終了になりました。
 ドクターよりも自分の手に触れ、症状を把握してくださって○○を乗り越えさせてくださっていたので見放されたように感じました。
 ドクターが指示する運動は、ハンドセラピストのストップで、手がもっていたような気がします。
 今後、ドクターの指示だけになると逆に悪化させたり壊してしまわないのか不安でたまりません。

 術後は水に濡らさないことだけの制限で、練習を含めとにかく手を使うように言われました。
 リハビリと思い、必死で動かしていますが、薬指、小指がばね指のようになっていたり手首に圧痛があったりと続けて良いものか悩んでいます。
 主治医に相談したところ、これからもっと違う症状が出てくると思うからそれをその都度聞かせてほしいと週一で診察になっています。
 一般の人ならある程度手を使わないようにしてもらうけど、あなたを仕事に早く戻さなければならないから通常とは違う方針でいくと言われました。
 現在は関節症の疼きも強く痛み止めを処方されています。
 また違う場所で鍼による鎮痛も施してもらっていますが、鍼の先生もドクターの言うとおりにリハビリをやったら○○復帰の前に壊れるようなきがすると言われています。

 壊さないようなリハビリメニューや今後起こるであろう症状を教えていただけないでしょうか。


 ご訪問ありがとうございます。
 不安がこちらまで伝わってきます。
 文面から大きく二つのことを考えていかなければなりません。
 一つ目は、手根管症候群と腱鞘炎です。
 二つ目は、手根管症候群の術後対策です。

 手根管症候群は腱鞘炎がベースとなって発症していると考えております。ですから、手根管症候群が発症したならば腱鞘炎に対して警戒する必要があります。
 手術後のリハビリテーション、つまり後療法は術後の合併症対策です。
 手根管症候群の術後の合併症は、手の浮腫み、手関節の可動域の制限、腱の滑走制限、神経の滑走制限が想定されます。
 術後にどんどん手を使うようにと指示されたのはこれらの合併症対策体と思います。

 しかし、ここで重要なのが術後の浮腫み対策だと思います。
 浮腫んだ手で繰り返し屈伸運動をしたり日常生活で頑張って使ったりすると腱鞘炎が生じやすくなります。

 浮腫んだ手には、高挙手の徹底が大切です。
 肩よりも肘が、肘よりも手が上で高挙手となります。一日に何回となく高挙手して、軽く握って強めに伸ばすという手指の屈伸運動をゆっくり繰り返します。
 強く握ると腱鞘炎の助長となりますので要注意です。
 行儀よく待合室で膝の上に手を置いていると浮腫んでしまいます。高挙手が大変でしたら肘を曲げていたり、テーブルの上に肘をついていたりすることをお勧めします。

 浮腫みに熱感が伴っているなら、既に腱鞘炎が発症していると判断できますので、20℃位の水で冷却して下さい。
 洗面器に水道水と冷凍庫に入れて凍らせておいたペットボトルで冷水を準備して冷やしてください。これが最も効果的であり安価な方法です。
 とにかく冷却して腱鞘炎の鎮静化を図ります。

 直接拝見しておりませんので詳細は不明ですが、手を冷やすこと、浮腫みを取り除くことをしていなければ、腱鞘炎が増悪して、手のこわばり、関節の可動域制限、腱の通過障害が強くなると思います。

 このブログを読まれたら、洗面器に20℃位の水を作り、手を冷やしてみて下さい。
 「気持ちいい~」と感じたなら、手を冷やすサインです。人によっては、一気に楽になります。
 抜糸前には水につけられませんので保冷材などで冷却し、抜糸して創部が乾いておりましたら洗面器の水で冷やしてください。

 話がずれてしまいますが、手根管症候群は程度によっては保存療法で治ります。しかし、日々のメンテナンスをしなければなりません。
 スポーツ選手の日々のトレーニングがメンテナンスであるように、手根管症候群や腱鞘炎の方にもメンテナンスが必要です。
 しかしながら、手根管症候群が進行してしまっている例や腱鞘炎が強く関節の可動域制限が強い方では、リハビリという保存療法で改善を得ることは難しいので手術を考慮しなければなりません。
 術後は、術後の合併症対策である後療法が重要となります。


 結論。手根管症候群の術後対策と腱鞘炎対策が必要だと思います。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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