2015. 08. 07  
 件名:癒着リハビリ
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 はじめまして、よろしくお願いします。
 先生のページの関係ある所を読ませてもらいました。
 キーンベック病により月状骨割れで、人示指、親指の屈筋腱断裂をし、6月16日手術をしました。腱は接着し今、握り、癒着の改善のためリハビリをしています。
 中指が95%、人差し指が50%、親指が30%の回復です。
 家庭内ではほとんどの行動はできます。
 リハビリでの握り(屈筋腱)の改善ですが、伸筋腱を同じように鍛えています。
 これが屈筋腱の滑走(癒着)の改善になるとことですが、その理由が知りたくてメールをしました。
 ネットには見当たりません。新しい学説でしょうか。
 よろしくお願いします。
          70歳 男性



 ご質問、ありがとうございます。

 N.M.さんは、キーンベック病で月状骨が分節化し、その部位で長母指屈筋腱と示指の深指屈筋腱(深指屈筋腱も?)が摩耗し皮下断裂したようです。

 深指屈筋腱と浅指屈筋腱が断裂していた場合は、断裂した浅指屈筋腱を3~4㎝を採取して深指屈筋腱に腱移植、深指屈筋腱だけの断裂の場合には長掌筋腱での腱移植が行われます。

 腱移植後のリハビリは、3週間固定法が選択されますが腱癒着は必発です。
 リハビリは癒着腱の滑走を拡大すべく、自動屈曲運動(握り)と自動・他動伸展運動(伸ばし)が必要です。
 N.M.さんは、術後7週ですので、積極的に腱滑走の拡大を図る時期ですね。


 ご質問の「伸筋腱を鍛えることが、屈筋腱の滑走の改善になるのか?」ということですが、難しい質問だと思います。

 担当セラピストの発言の意図を考えなければなりません。

 鍛えるというのが何を意味しているのでしょうか。
 恐らく伸展運動の頻度を多くして癒着腱を遠位方向に牽引したいという意図があるのだと思います。

 そもそも手指屈筋腱の癒着に対するリハビリは、自動屈曲(握る)と自動伸展(伸ばす)、他動伸展(けがしていない手で伸ばしたり、装具でのばしたり)で癒着組織を遠位方向と近位方向に時間をかけて滑走させ、癒着組織をストッレチし、柔軟性の有る組織に変えることが目的となります。
 
 恐らく親指も人差し指も曲がったままで、完全に伸びないし曲がらない状態にあるのではないでしょうか。

 担当セラピストは癒着組織の柔軟性を拡大するために、頻繁に伸展運動を行ってもらうために伸筋を鍛えましょうと言われているのだと思います。

 特に新しい学説でなく、癒着組織には屈曲運動と伸展運動を入れながら柔軟性の拡大を図ることは、我々セラピストであれば常識となっているものと思われます。

 よろしいでしょうか?
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
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