2015. 05. 11  
 尺骨神経を評価するには高位診断が不可欠です。
 ギオン管症候群と肘部管症候群を明確に区別する必要があります。
 筋萎縮が著明ですと神経伝導速度検査で手関節ならびに肘関節でのインチングでの区間潜時の延長の有無を観ることができませんので、情報数が少なくなります。そのような際には、MMTが重要となります。

 ギオン管症候群では深指屈筋の障害は免れます。小指外転筋や第1背側骨間筋がZeroであっても深指屈筋に十分な筋力があればギオン管症候群と断定できます。

 肘部管症候群では深指屈筋の障害も生じますので、握力低下がギオン管に比べて顕著となります。

 このように筋萎縮が著明であれば断定できるのですが、軽度だと一気に診断の難易度が高まります。

 感覚障害を観ることも重要ですが、手背尺側を支配する尺骨神経背側枝は10%で欠損し橈骨神経が支配する破格もあります。ですから、手背尺側にしびれや感覚障害がないからと言って肘部管症候群を否定することはできません。
 逆に、手背尺側にしびれや感覚障害があればギオン管症候群は否定されます。

 ここで肘部管症候群と断定できるとしない理由は、肘部管より近位での尺骨神経障害も含まれるためです。
 Struthersアーケードが内側上顆から約80㎜近位に存在し、ここでの障害も考慮しなければなりません。内側前腕皮神経支配領域の前腕内側(尺側)にしびれがることが多いため、ここでのしびれの有無とチネル徴候が肘部管より中枢の上腕部に認めることができますので肘部管症候群と区別します。

 尺骨神経支配の筋で、深指屈筋、小指外転筋、第1背側骨間筋のMMTを測定すれば漏れはないものと思います。
 深指屈筋の場合は、小指のみ屈曲をさせるのではなく他の指も同時に屈曲させながらの測定とします。
 小指外転筋と第1背側骨間筋は視診しやすく、触診しやすい筋で、MMTも容易に測定できます。
 神経伝導速度検査で測定に使用する筋は、第1背側骨間筋を使用しております。というのは、肘部管症候群でもギオン管症候群でも麻痺する筋だからです。終末潜時の延長でギオン管症候群か否かを知ることができます。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
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