2014. 06. 10  
セミナー報告
 昨日、第3回ハンドセラピィセミナーを開催いたしました。今回は「表面解剖」がテーマであり、深層の解剖を理解することが目標です。

 教科書的な解剖学的を理解しただけでは臨床では活用できません。これらを活用するためにはラウンドマーク(指標)を手掛かりとする必要がありますし、触診をとおして納得する必要があります。

 私たちは、これらのラウンドマークを手掛かりとして臨床において病態部位を確認しようとしております。

 例えば、橈骨動脈で脈拍をとっていると思いますが、拍動を感じるということ自体がそこに動脈がある手がかりとしているのです。その動脈に隣接する組織を知っていれば容易にその組織の場所が特定されます。

 MMTでの「0」か「1」かを判定するのに筋収縮を感じ取る触診。判定したい筋の走行がどこにあるのか?隣接する筋からの特定も可能です。

 手根管症候群のTinel様サインを観るために打診する部位。正中神経がどこを走行し、手根管はどこかを知っていなければできません。

 腱鞘炎の有無を確認するための圧迫部位。腱鞘炎は腱鞘の存在場所を特定できなければできません。腱鞘をずらして圧迫しても痛みは誘発されません。

 動脈は拍動、筋は収縮、腱はレリーフを確認することにより容易に皮下組織を確認しております。

 神経の触診は出来ますか?走行をある程度特定できますか?
 前腕から手では肘部管の尺骨神経を除けば触診不可な組織です。触診は出来なくとも走行を知らなければTinelサインを観ることもできません。通過する2点で神経の位置が分かれば直線的に走行するので、このラウンドマークを手掛かりに正中神経も尺骨神経も容易に理解できます。橈骨神経は腋下から上腕骨をらせん状に走行するのでいくつかの通過ポイントを理解しなければなりませんが、これによりTinelサインを誘発することは出来ます。

 神経のついでで有鉤骨鉤を触診が出来ると尺骨神経の深枝と浅枝の走行がわかります。この有鉤骨鉤が骨折すると尺骨神経深枝障害、小指屈筋腱皮下断裂が生ずることがあります。“?”と思ったら手根管撮影を依頼して鉤の骨折の有無を確認します。

 筋の触診では浅層筋を確実に触診できなければなりません。深層筋は表層筋の緊張状態で触診しにくいのですが触診するポイントを押さえれば可能です。各末梢神経障害におけるKey muscleを触診できれば評価の深さも増してくるものです。

 腱のレリーフは容易に確認できます。これらのレリーフから日常臨床で遭遇する疾患を特定できるようにしておきます。腱鞘炎、遠位橈尺関節のOA・橈骨遠位端骨折での腱皮下断裂など。

 これらのラウンドマークは日々の臨床で観て、触って、その意味合いを復習しておかないといざという時に使えません。今回参加された受講生は“常に備えよ”で、毎日症例の手を評価しながらラウンドマークと周囲の解剖の知識を広げておいて下さい。

 次回は8月31日(日)、研修室3で開催いたします。日程が変更されておりますので間違わないようにして下さい。懇親会は、遠方からの参加者もおられるので20時ころには解散できるように致しますのでご参加ください。
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プロフィール

阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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