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2014. 05. 17  
 拘縮手を診る際には拘縮の鑑別により拘縮の病態を把握します。「硬い手」とは素人でも分かることです。拘縮に対する治療手段の一つとして関節可動域運動(ROM ex.)が施されますが、“病態に即したROM ex.(セラピィ)”が施されなければ治療効果を得ることは出来ません。
 この病態に即したROM ex.を行うには、評価としてROMを測定し現状把握をする作業と拘縮の責任病巣を探る拘縮の鑑別作業が必要です。

 基本的なことは自動運動と他動運動のROMの差を観ることだと思います。

 ゴニオメーターで関節角度だけを測定しても病態を把握することは出来ません。しかし、現状のROM把握と治療効果を確認するためにも角度の測定は不可欠です。

 他動ROMは、個々の関節がどれくらい可動するかということであり、角度(°)で表記されます。純粋にこの関節の可動域はどれくらいなのかということですので、後に述べるように筋腱の影響を受けない減張位での単関節ごとの測定となります。

 自動ROMは、腱の滑走、筋の伸縮や筋力などの力源となるものの機能が反映されます。自動では腱の滑走距離や筋の伸縮幅、つまり“移動距離(㎜)”を関節の角度(°)に置き換えているということを認識する必要があります。
但し、自動でも他動でも共通して生ずる制限の原因には“痛み”がありますので、最終可動域時のVASの併記も必要です。

 手・手指の関節も肩関節も股関節も基本的な関節の構造(形態は異なりますが)は一緒ですが、手では“多関節筋腱”という特徴的な構造を有しております。筋腱の起始停止の間に複数の関節が存在するので、腱癒着や筋拘縮があると隣接関節の肢位によりそれより末梢の関節は影響を受け、ROMが制限したり拡大したりします。これが腱固定効果です。

 例えば、MP関節の伸展拘縮を呈した症例がおりました。
手関節、MP関節の伸展が不能な下垂手、つまり上位型の橈骨神経麻痺です。橈骨神経麻痺でどうしてMP関節伸展拘縮なのかということです。

 考えてみてください。橈骨神経麻痺でどうしてMP関節伸展拘縮となるのか?

 答えは、良肢位保持がされていなく(下垂手を放置)、手関節屈曲で固定され、深指屈筋と浅指屈筋による手指の自動屈曲により、指伸筋は緊張が増し(腱固定効果+)、MP関節は伸展位に固定され、結果、手関節の屈曲拘縮と指屈筋の筋性拘縮、MP関節の伸展拘縮が生じてしまいました。

 MP関節の屈曲角度を拡大するには、先ず手関節の伸展を得る必要があります。手関節の伸展角度が得られれば指伸筋腱に緩み(ゆとり)が生じますので、伸筋腱が緩んだ分MP関節は屈曲しやすくなります。手関節伸展保持のスプリントも必要になりますし、手指屈筋の伸張を図っていきます。
仮に、手関節の伸展を図らないでMP関節の屈曲だけにセラピィを施しても、関節受動術をしても効果は得られません。

 このように隣接関節の肢位により末梢の関節が影響される病態が腱固定効果となります。ROMを評価するには、手関節・MP関節・PIP関節・DIP関節の単関節の純粋な可動域を確認しますが、腱固定効果の影響がないように減張位にて測定します。

 先のMP関節伸展拘縮例では、手関節を可及的に他動伸展することにより指伸筋腱を減張させMP関節を他動屈曲し屈曲角度を測定します。手関節屈曲位では指伸筋腱の緊張要因が加わりますので、純粋なMP関節のROMを測定することはできません。

 個々の関節の他動ROM測定後に腱固定効果があるかどうかを確認します。この際、徒手的操作により屈・伸筋腱を減張位、または緊張位としてROMの変化が生じるかどうかを観て行きます。

 減張位は、屈筋腱に対しての減張位は他動屈曲、伸筋腱に対しては他動伸展です。
 緊張位は、屈筋腱に対して自動屈曲または自・他動伸展、伸筋腱に対しては自動伸展または自・他動屈曲です。
 例外として、例えば深指屈筋の解剖学的な特徴である中・環・小指では筋を共有しておりますので、中・環指を伸展位にすることで小指では減張位となります。

 治療としては、減張位を図りながら単関節の他動ROMを拡大させ、筋の筋性拘縮を呈する場合には他動運動による緊張位で伸長し、自動運動による緊張(抵抗運動含む)で収縮させ筋の振幅幅を拡大します。

 このように関節拘縮を観る際には、自動と他動運動、緊張位と減張位を理解して操作することは評価と治療をの最初の一歩です。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
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