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2014. 04. 23  
訪問者(S.W.さん)への返信
件名:第5指PIP関節脱臼をされた患者様に関する質問
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はじめまして。私は埼玉のクリニックで仕事をしている柔道整復師です。
先生のブログを初めて拝見させていただき、相談させていただきたいと思い、メールさせていただきました。

2ヶ月前に、バスケットボール中に右第5指PIP関節を背側脱臼をされ、自分で整復して来院された30歳ぐらいの女性の患者様のことです。
プライトンで第4指と一緒にPIP関節伸展位ぎみで2週間固定し、その後は第4,5指に緩めにテーピングして動かせるようにしていました。症状は腫脹が強く、PIP関節がやや伸展制限と、屈曲もかなり制限が強く、初期は安静と挙上、アイシングを勧めておりましたが、2週間以上経過しても、少し指を使ったり、睡眠時の微妙なポジション、字を書きすぎたりするなどして腫れが強くなったりおさまってきたりを繰り返す状態で、現在も伸展はやや制限があり、屈曲も90°が限界という状態です。
リハビリは受傷2週間後からは温熱、超音波、マッサージ、痛みに注意しながらの関節の自動他動運動、少し抵抗をかけながらの運動といったことを行っていました。自宅では交代温冷浴をしていただいていました。ただ腫れがでているときはアイシングするように話してありましたが、先生のブログを読ませていただいて、炎症がおきているにも関わらず、温めてしまったりといったことがあったかもしれないと反省しているところです。

現在はPIP関節橈側側副靭帯から基節部の橈側にかけて触れると固くなってしまっている状態。屈曲していくとそのかたさで制限がかかるといった状態です。初期はそこから第4,5中手部の骨間部にまで痛みが波及していました。それからPIP関節背側がやや腫れているような感じもします。
患者様の話ですとDIP関節を屈曲しようとするとPIP関節に痛みがでるというこうと。屈曲の練習するとPIP関節背側橈側に痛みがでてくるということです。

このような状態で、苦戦しております。
先生のおっしゃられていた腱鞘炎の合併も考えたほうがいいのか、
どのようにするべきだったか、これから出来ること、何かアドバイスいただけると大変ありがたいのですが、お忙しいところすいませんがお願い出来ますでしょうか?



 ご質問ありがとうございます。

 脱臼は関節に許容範囲外の外力が加わって、関節周囲の組織の断裂や伸長で結果的に関節は硬くなってしまうものです。

 関節を背側面、掌側面、尺側面、橈側面の4角形とすると、最低2面が損傷しないと脱臼は成立しないと言われております。背側脱臼ですので側副靭帯と掌側板損傷、関節包損傷が疑われますし、炎症反応により周囲組織の癒着は必発です。

 伸筋腱に関してはPIP関節を固定している期間には、早期からのDIP関節の屈伸運動で、側索の腱滑走運動を行う必要がありました。

 DIP関節を屈曲するとPIP関節に疼痛が生じるのは、終末伸筋腱を介して側索に緊張が生じてのものだと思います。しかし、あまりDIP関節の屈曲角度を強めますと、マレット指となりDIP関節の伸展不全が生じますので、痛みを配慮しながら屈曲運動を高めていくしかありません。

 腫れていても、熱感を伴っていなければ冷やす必要はありません。冷却が必要とする判断は、患部を水温20度くらいの水で直接冷却し、気もちが良ければ冷却の適応と考えて下さい。不快感があれば(冷たいだけ、気持ちがいいわけでない)であれば、冷却の適応ではないと判断できます。

 熱感がなく腫れているのであれば浮腫と判断し高挙手または軽めに圧迫包帯を常時巻いてください。1時間くらいしましたら効果判定して下さい。

 単関節ごとの関節可動域運動から側索へ緊張を加えるために、PIP関節とDIP関節を同時に屈曲、テーピングで軽い痛み程度で固定するのもよろしいかと思います。

 屈筋腱は滑走しているのでしょうか?掌側板は屈筋腱の滑走床となっておりますので、見逃してしまうと癒着してしまいます。伸展制限は癒着ではないでしょうか。

 自動運動を推奨いたしますと腱鞘炎になってしまうので、関節拘縮に対しては左手で関節を緩めてからの自動運動をお勧めします。
 腱鞘炎はA1プーリー部の圧痛とMP関節の過伸展制限、手掌部の熱感で診て下さい。屈曲制限がありますと、スナッピングやクリックは生じません。

 関節拘縮を除去するためには、拘縮の鑑別をする必要があります。
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Comment
返信ありがとうございました。
大変ていねいなお返事をいただきありがとうございました。
早速おしえていただいたことを実践させてきたいと思っています。

それで、屈筋腱が滑走しているかということですが、今の段階では掌側板あたりにそこまでかたさを感じず、どちらかというとその橈側よりとその下(基部)に向かってできたかたい腫れにあたって屈曲が制限される感触があるので、滑走はしているかなと自分では思いました。
それからA1プーリーに圧痛はありませんが最近患者さん自身が、がんばって曲げようとしているからか、A2プーリーあたりに小さなしこりができてしまっています。その部分に熱感と痛みは感じておりませんが。

もう少し質問させていただきたいのですが、側索の動きを出すことが必要だったとおしえていただきましたが、他にPIP関節部での伸筋腱や関節包の挫傷などは考えずらいと思っていいのでしょうか?

それから、痛みや腫れを繰り返したりということでCRPSとの関係はいかがでしょうか?

質問が長くなり、すいませんがよろしくお願いします。
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阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
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