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2014. 10. 22  
 こんばんは。セミナーでお世話になっているS.W.です。
 お忙しいところすいません。今来ている患者さんのことでアドバイスいただけないかと思ってメールさせていただきました。

 手の第5指のボクサー骨折の患者さんのことです。
 90°-90°法で15日固定してその後3日間ぐらいMPjのみの固定とし、固定offとなり、リハビリ開始となりました。はじめはMPj90°屈曲位となっていましたが、少し経つと50°~55°ぐらいまでしか屈曲がいかなくなってしまいました。伸展は0°ぐらいまでです。初めに可能だった角度が得られなくなる原因はどのように捉えればよいのでしょうか?
 浮腫固定を外してからのほうが強くでるようにも思えますが、浮腫のためでしょうか?固定をしている時からリハビリを進めればよかったと思っていますが、経験が浅かったので再転位のリスクを優先して考えてしまいました。
 現在受傷から4w、来院からは4w+3日です。どうすればよかったのか、今後どのようなことに注意するべきかアドバイスいただけたら有難いです。

よろしくお願いします。


 ご質問ありがとうございます。
 小指の中手骨頚部骨折の症例ですね。
 恐らく指伸筋腱の癒着が考えられます。
 90-90°法で3週間弱固定すれば、関節拘縮と伸筋腱癒着は生じます。
 90-90°法で固定されていたとしてもきっちり90°ではなく、特にPIP関節では90°も屈曲していないと思います。PIP関節の屈曲は100°はありますので、固定除去後の屈伸運動で腱癒着による腱固定効果がありますとし、DIP関節とPIP関節を深く屈曲した分、MP関節の屈曲は制限されてしまいます。
 また、小指は患者の目から見えにくい位置なので、MP関節を意識しなければPIP関節とDIP関節の屈伸運動が中心となります。
 骨折のセラピィは合併症対策ですので、予測される機能障害に対して手を打っていきます。中手骨骨折での腱癒着ではMP関節とIP関節(PIP・DIP)とに分けて関節運動をしてから、腱滑走の拡大を目的にMP関節とPIP関節の同時屈曲運動を入れなければなりません。

 この話は次回のセミナーでもお話しする内容です。
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2014. 10. 14  
 経過
 草刈り作業中に誤って左前腕の不全切断を受傷
 (診断):前腕不全断裂
 橈骨骨幹部開放骨折・橈骨動脈断裂・橈骨神経浅枝断裂・正中神経不全断裂・FPL、FDS不全断裂・BR、FPL、EDC、ECU断裂。(APL,EPB,ECRL、ECRB、固有小指伸筋及び固有示指伸筋は確認できず)
 1回目のOPE 創外固定(橈側Seldril,尺側Orthofix)
 2回目のOPE 骨幹部プレート固定
  動脈縫合×1(橈骨)  神経縫合×2(正中・橈骨)
  屈筋腱縫合×2(FPL,FDS)
 伸筋縫合×4(EPL,BR,ECU,EDC)そのほかの伸筋腱は筋腹レベルで一塊に縫合。

 現在術後7W
 創部周囲の発赤(+)、腫脹は創部より遠位から手指にかけて(+)
 ROM(自動/他動)
 肩関節屈曲160 外転135° 外旋2ND90 内線90 
 肘屈曲120/130 伸展―35/-25 前腕回外20/50 回内10/25 橈屈0/5 尺屈0/15
 手関節掌屈10/25 背屈0/35
 手指 
 母指内転―5/0 橈側外転0/40 掌側外転0/30
  屈曲/伸展(他動)
MP PIP DIP
  母指 44/0 38/0 -
  示指 70/20 72/-6 42/4
  中指 52/18 64/10 64/4
  環指 52/18 64/0 64/4
  小指 40/30 70/2 64/4
 (感覚検査)
 表在(SW-T)
 RED:母指CMから指尖までの腹側背側、示指MPから末梢 中指MPから末梢
 環指MPから末梢の橈側(その他はGREEN)
 チネル徴候 - (創部にびりびり感あるも変動+遠位での反応なし)
 MMT
 肩・肘:「4」
 回内「2」 回外「2」 
 手関節背屈「0」 掌屈「2」 尺屈「1」 橈屈「1」
 母指MP屈曲「0」 IP「0」 内転「2」 外転「0」 
 手指伸展 MP「0」 PIP「0」 DIP「0」 屈曲MP「1」 PIP「2」 DIP「2」 (環指小指は示指中指に比べ強い)
 虫様筋収縮+  手指外転「0」 内転「0」



 詳細な情報ありがとうございます。
 念のために個人が特定できないように一部削除いたしました。

 評価は機能障害を中心に致しますが、このように重篤な例では温存している機能、つまり障害されていない機能から観て行くことも大切です。
 ◇温存されている機能
 神経:橈骨神経(運動)、尺骨神経(骨間筋、第3・4虫様筋、母指内転筋)
 筋腱:FDP、FCR、FCU

 ◇損傷された機能
 神経:正中神経、橈骨神経(感覚)
 筋腱:
  肘関節:腕橈骨筋
  手関節:ECU、ECR
  母指:EPL、EPL、APL、EPB
  示指から小指:EDC、FDS
 骨:橈骨、尺骨(プレート固定)

 術後7週であれば制限なく可及的に機能改善を図ってよろしいと思います。
関節可動域の拡大、損傷筋と温存筋の振幅の拡大(伸長と筋力)、神経の回復を運動・感覚からの評価が必要です。
 温存されている尺骨神経支配筋を有効に活用するには正中・橈骨神経支配の機能を拡大するか、スプリントにて代償機能を得る必要があります。伸筋腱の機能障害が著しいので下垂手に対するスプリントを作製し、基本的な機能としてのつまみ動作と握り動作を獲得すべきでしょう。
 損傷筋に対しては伸張と筋力強化を図らなければなりません。下垂手とのことですがMMTで「0」なのか「1」なのかでは意味合いが雲泥の差となります。筋収縮を認めるならば筋力に合わせた筋力強化を早急に開始しなければなりませんし、筋性拘縮は避けられませんので伸張を図り伸縮幅の拡大に努めなければなりません。
 非損傷の筋腱に対しても同様に伸縮幅の拡大を図らなければなりません。FDPは損傷を免れているので指の自動屈曲は拮抗筋のEDCの機能がどこまで改善できるかに影響されます。恐らくEDCの機能障害により内在筋拘縮も生じていると思いますので確認して下さい。
 神経機能の回復の状態が不明瞭ですので、明らかにするようにして下さい。
 R.M.さんのMMTの表記では個々の筋に対してでなく関節運動に対しての測定となっております。これでは末梢神経障害の機能障害を理解することは出来ません。個々の筋に対して測定するようにして下さい。

 評価をしっかりしなければ問題把握ができません。
 関節可動域では自動と他動を測定し拘縮の鑑別を図ります。
 末梢神経の関しては、個々の筋のMMTと固有知覚領域での感覚障害の有無、Tinel徴候から、軸索の損傷と回復状況を判断しなければ、有効なリハビリを計画することができません。神経の回復が期待できなければスプリントにて代償機能を作らなければなりませんし、将来的にどのような機能再建がなされるべきかを考えることも必要でしょう。
 そして、これらの機能障害による能力障害に対して何をすべきなのかを考えなければなりません。幸い、尺骨神経は損傷を免れておりますので伸筋の機能拡大を図るべきと考えます。
 
 前腕の可動域の制限は何とかしなければなりません。回外の制限が残存してしまいますと茶碗保持ができません。円回内筋の筋性拘縮では肘屈曲と回外制限が生じます。腕橈骨筋の再建はすべきではなかったと思います。腕橈骨筋の縫合により肘伸展制限因子になることは容易に理解できたはずです。

 もう少しきちっと評価して問題を整理して下さい。また、R.M.さんの考察も含めての質問をして頂ければ、何が抜け落ちているのかが分かります。症例の問題も大切ですが、セラピストとして不足している問題を明確にすることも大切です。
2014. 10. 08  

 始めまして現在整形5年目のOTです。肩から手関節の骨折症例は見てきたのですが今回前腕の不全断裂症例を担当することになり管理方法や治療のアプローチ、また評価について困っています、できれば自分の評価等を見ていただきアドバイスをいただきたいのですが。
 かまわなければ返信いただければ詳細をメールさせていただきます。
 先生のブログを見てとても勇気づけられる部分と自分自身とても不安になっています、お力をお貸しください。


 先ほどメールしましたR.M.です。先生のブログを参考に症例の見方や勉強をさせていただいています。現在担当している症例が前腕の不全切断をしており、骨(橈骨尺骨骨幹部)・筋(FDS,ECR、ECU、FPL,EDの断裂→接合)・神経(橈骨神経浅枝断裂→接合、正中神経不全断裂→接合)。
 現在接合術後7Wで当院に来られたのですが下垂手(高位の橈骨神経麻痺症状)と正中神経領域の運動・知覚麻痺が著名にみられている症例です。
 現在掌側カックアップスプリントにて手関節の不安定性の改善と拘縮予防(屈筋短縮予防含め)装着してもらっています。先生にお聞きしたいのは、何故前腕骨幹部での切断で低位橈骨神経麻痺症状ではなく下垂手を呈する症状が出てしまっているのか。そして今装着している装具は下垂手の予防のみであり母指の対立装具にしたほうがいいのかの2点。さらに可能であれば、現在の症例に置いて何から優先して行っていけばいいのかさえ分からないほど関節拘縮(ほぼ筋などの軟部組織と思われる弾性のendfeel)に対して何からアプローチしていけばいいのかなどアドバイスをいただければと思っています。突然の無理なお願いとは存じますが、指導してもらえる上司もおらず、大変困っている状況です。勉強不足も自覚していますが若い症例のこの先のことを考えると自分がしっかりとしていかなければと思いながら十分にアプローチできずに困っていってしまう症例を見ているようなOTでありたくないと思い先生のお力をぜひお貸しください。よろしくお願いします。


 メールありがとうございます。
 難易度の高い症例ですね。
 先ずはご質問への回答です。

 質問1前腕部での損傷なのになぜ下垂手なのか?
 受傷機転や経過が分かりませんのでなんとも言えませんが、手術過程や固定により橈骨神経を圧迫する可能性があります。どの時点で下垂手になったかで判断する必要がありますし、神経幹伝導検査でECR、EDの応答収縮の有無でSeddonの分類で神経ブロックなのか軸索障害なのかを見極める必要があります。

 質問2への回答
 正中神経障害ですので母指は内転拘縮となる可能性があります。第1指間腔保持のために対立保持のスプリントは必要です。

 こちらとしては全体像が分かりませんのでアドバイスできません。肩、肘の機能はどうか、前腕から手指の機能はどうなのかという評価内容をお知らせください。主訴、拘縮、MMT、感覚、筋腱の癒着などをお知らせいただければ回答を差し上げます。
2013. 10. 07  
 セミナー受講させていただきました、T.S.です。
 先生に質問し忘れてしまいました。胸郭出口症候群のテストで、背臥位テストとありましたが、どのようなテストなのでしょうか?
 教えていただけたらと思います。



 ご質問ありがとうございます。
 末梢神経障害の誘発試験の項目で話した内容ですね。ここでは、感度と特異度の意味合いと重要性、誘発検査ばかりでなく緩解検査もあることを解説しました。

 胸郭出口症候群(TOS)の背臥位テストですが、これは私が提唱した検査で、誘発検査と緩解検査とで構成されております。誘発検査としては感度90%、特異度99.1%とTOSの他の誘発検査と比べても遜色がないものと考えております。

 誘発検査は、背臥位とし「全身をリラックスして下さい。両腕は肘を伸ばしたまま体の傍においてリラックスして下さい。」と教示し、誘発時間を3分間としてあります。判定は上肢症状が誘発ないし増悪すれば陽性とします。

 緩解検査は、誘発検査にて誘発された例に対して行います。検査肢位は背臥位で、肩甲骨から上腕の下にバスタオルを挿入して肋鎖間隙を拡大します。緩解時間を3分とし、誘発検査で誘発ないし増悪した症状が緩解ないし消失すれば陽性します。

 この検査は肋鎖間隙を狭くすることにより腕神経叢が圧迫され症状誘発が誘発されるか、緩解検査で肩甲骨から上腕にしたにバスタオルを挿入することにより肋鎖間隙を拡大させ腕神経叢の除圧にて症状が緩解するのかを診ます。つまり、肋鎖間隙狭小に病態があるTOSを見つけことが目的で、誘発・緩解検査が陽性となれば肋鎖間隙の拡大を図ることがセラピィの目的となります。

 この肢位は就寝肢位と同じ肢位となり、症状誘発により睡眠が妨げられる例には肋鎖間隙を拡大するように指導すれば効果的です。

【文献】
阿部幸一郎:胸郭出口症候群に対する新しい症状誘発・緩解検査の有用性.日本ハンドセラピィ学会誌5:23-26,2012
2013. 09. 21  
突然のメールで失礼いたします。
 私は大阪府内に勤務するOTです。
 患者さんのハンドセラピィで難渋していることがあり、ネットで調べていたら先生のこのブログに辿り着きました。よろしければ質問にお答えください。
 外来患者さんで、橈骨遠位端骨折受傷後、他院(個人の整形外科)にて保存療法でギプス固定されました。固定期間後も数ヶ月リハビリの指導もないまま手指屈曲制限ができあがってから来院されました。CRPS様の症状もあり、ショートストレッチでは痛みの訴えが強く、痛みが比較的少ない弾性包帯による持続伸張で様子をみながらストレッチを行っています。しかし、ROMの改善は即時効果としてはあるのですが、なかなか汎化するまでに至りません。自宅でご自身による弾性包帯のストレッチは難しく改善に難渋しています。150日の算定上限も近づくため困っています。先生のこのブログを拝見して、2011年4月6日の「手指伸展拘縮に対する側索の滑走運動」でご紹介されている「TH型スプリント」が気になりました。先生のお名前と「TH型スプリント」をキーワードにネットで検索しましたが見つからず、持続伸張による訓練の是非も含め、ぜひ教えていただきたいと思い質問させていただきます。よろしくお願いいたします。


ご質問ありがとうございます。

唐突ですが、大阪の人は、たこ焼きをおかずにしてご飯を食べるということを聴きましたが本当ですか?

 Mさんに質問内容からKey wordとなるものを挙げてみましょう。
 ①橈骨遠位端骨折 ②リハビリの指導がない ③屈曲拘縮 ④CRPS様症状
 ⑤150日算定の上限期間が迫っている ⑥TH 型スプリント

 ①から④で、腱鞘炎由来のStiff handと私は考えます。

 保存療法でギプス固定がなされてMP関節の運動制限が加わってしまった結果、MP関節の伸展拘縮、IP屈曲拘縮のタイプか、MP関節のROMは比較的良好であるがIP関節の屈曲拘縮があるタイプか。

 後者であれば腱鞘炎由来のStiff handの可能性があります。

 ②のリハビリの指導がなければ、患者は一生懸命に手指の自動運動を繰り返します。温めながらこれを繰り返す傾向があるようです。腱鞘炎が生じやすい状況となります。

 ③屈曲拘縮は、A1プーリーでの腱の通過障害でも生じます。

 ④CRPS様は、腫脹、熱感、運動痛、関節拘縮でCRPSの診断基準にはまってしまいます。CRPSの発症はあまり多くありませんが、腱鞘炎由来のStiff handは気が付かないだけで結構おられます。私がこれまで経験したCRPSの7割は腱鞘炎由来のStiff handです。誤診でなくCRPSの診断基準にはまるような手の症状です。CRPSでは交代浴ですが、腱鞘炎は冷却が必要です。ですから、診断がとても重要になってきます。

 仮に、腱鞘炎由来のStiff handであれば、アイシング(熱感あれば)、手指伸展用のダイナミックスプリントにて腱鞘炎の鎮静化とA1プーリーのストレッチ、腱滑走運動を図らないと何ら変化が生じません。

 多発性の腱鞘炎には手根管症候群の合併率が高まります。正中神経領域にしびれはありませんか?

 まずは、この辺りを確認して下さい。
 ここを確認しないで⑥のTH型スプリントを装着しても痛いだけで効果はありません。

 ⑤の150日上限ですが、リハビリが出来なくなるということではありません。ブログの中の「個人的な考え」で2012年12月4日に150日超えについて書いてあります。病院の方針として150日で終了とすることがありますが、改善の見込みがある者はリハビリを継続すべきだと思います。参考にしてください。

 TH型スプリントが掲載されている論文をご紹介いたします。
1)阿部幸一郎ほか:手指伸展拘縮に対する新しい装具療法.日手会,21巻 第6号 820-823,2004.
2)阿部幸一郎ほか:手指伸展拘縮に対する装具療法-伸展不全の回避-.日手会,第22巻 第5号 548-552,2005.
HAND maintenance studio
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プロフィール

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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