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2018. 12. 15  
 手根管症候群の手(CTS hand)とは、手根管症候群(正中神経の絞扼性神経障害)で生ずる正中神経の症状と、手根管症候群に合併する腱鞘炎の症状が混在した手を指します。

 指のしびれ(ジンジン・ビリビリ)、夜間痛、指先の感覚が鈍い、不器用になった、つまむ力が弱くなった、こわばり、手のひらの違和感・痛み、指が曲がらない・伸びない、ばね指、ほてっている、腫れぼったい・・・。

 「手根管症候群」+「腱鞘炎」=「CTS hand」
  
 腱鞘炎症状は、こわばり感や腫れぼったさ、痛み、ばね指を含めた腱の通過障害とそれによる関節拘縮であり、不快な症状である。これらに対しても治療の対象としなければ、結果的に患者さんの満足は得られません。

 正中神経の症状としてのしびれが改善し治療が終了となっても手指のこわばり感が残存していたならどうでしょうか?
患者立脚型の評価にも反映され、治療者と患者との間には温度差が生じた結果となってしまいます。

 このCTS handは私の造語です。
 敢えてCTSに罹患した手をCTS handとする理由は、医療従事者に正中神経由来の症状と腱鞘炎由来の症状が同居し、治療としては正中神経の除圧と腱鞘炎の鎮静化を図ることを強調し認識してもらうためです。
 腱鞘炎はとても難しい疾患です。

 腱鞘炎は疫学的に両手に発症しやすく、完治しても再発または他指で発症されるとの報告もあります。つまり、習慣的にメンテナンスを継続する必要があると考えております。
 ですから、セラピストが介入して腱鞘炎のメンテナンス方法を患者さんに習得してもらうことがセラピィの目的となります。

 わが国では発症してからの治療に保険が適応し予防には適応しませんが、再発予防は可能です。自己管理方法をしっかりと指導する。それでだめなら重症化する前に再受診。

 手根管症候群の患者を診る際に腱鞘炎を診てみてください。
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2017. 10. 02  
 作業療法士の募集

 私が常勤している東京都八王子市の病院 と 
 非常勤で週1回勤務している埼玉県東松山市の病院
 作業療法士を募集しております。

 両施設とも手外科で、対象患者が増えているための増員です。

 ご希望の方、右下の「ご意見はこちらから」からご連絡ください。

 お待ちしております。
2016. 12. 13  
 手根管症候群のop後の患者さんについて教えてください。

 手根管症候群で確か3年くらい前から母指~中指にかけて痺れがあり、先生から勧められて手術をしました。
 術後痺れからこわばりに変わり、母指~小指に拡大、表在感覚はありますが深部感覚鈍麻。
 最近はこわばりは強くなり痛みもあると言います。
 本人の話では術前は痺れのみでADLに何の問題もなかったが、術後は箸を持つとか何かをつまむ、蓋を開ける、下着のホックをつけるなどいろいろな巧緻動作ができなくなってます。
 特に右手の対立運動や、虫様筋が弱化しててMMT2レベルです。左は4くらいあります。

 先生は、術前も深部感覚や対立は弱くて術後悪くなってるとゆうより変わってない、とは言ってます。
 ただ手術の記録では右の正中神経はかなり細くなってた的なこと書いてます。

 このこわ張りは今後治ってきますか?



 ご質問ありがとうございます。

 手根管症候群(CTS)に対して手根管開放術を施行し、術後にこわばりが生じてしまったという症例のようです。
 
 このこわばり感は腱鞘炎によるものと解釈できます。CTSに腱鞘炎が合併するという報告は多々あり、自験例ではCTSに6割に合併しておりました。
 また、術後の合併症として浮腫や腫脹を呈している手で自動運動を繰り返して行うと腱鞘炎を発症ないし増悪させますので、他動運動によるROMの拡大を図るべきです。

 手術前から発症していた腱鞘炎なのか、手術の合併症として結果的に生じてしまった腱鞘炎なのかは分かりませんが、腱鞘炎を鎮静化していかないと、腱鞘炎由来のStiff hand(硬い手)となり、不可逆的な拘縮手となりますので注意して下さい。

 腱鞘炎が沈静化するとこわばり感も消失します。腱鞘炎には繰り返される自動運動と温熱療法は禁忌ですので注意して下さい。

 浮腫に対しては高挙手、腫脹や熱感に対してはアイシング、ROM制限は愛護的に他動運動で徐々に拡大して下さい。運動による痛みの誘発には十分に注意を払って下さい。恐らく手指屈筋腱の滑走の制限が生じていると思いますので滑走の拡大も図るようにして下さい。

 正中神経に対しては神経滑走運動により滑走の拡大を図って下さい。

 最後に、「こわばりは今後治ってきますか?」とありますが、治療者が治るように誘導しなければ治るものも治りません。病態に即したプログラムを立案して下さい。
2016. 11. 11  
 Subclinicalとは、器質的に障害はあるものの、臨床的に症状を呈していないと定義されます。
 つまり、自覚症状はないけれど、他覚的所見を認めるということです。


 手根管症候群が疑われると神経伝導速度検査で神経の伝導状態を確認します。
 検査は通常両手で行われます。その際に、しびれていない側の手に異常所見を認めることがあります。しびれという自覚症状は無いのですが、手根管症候群の重症度の一指標となる短母指外転筋の終末潜時の延長を認めますので、Subclinical CTSと診断されます。
 Subclinical CTSと診断しても積極的には治療しません。夜間痛や起床時のしびれという自覚症状が生じはじめたら受診するように勧める程度です。


 手術後、後療法を開始して間もなく腱鞘炎が発症する例を経験します。このような例はけっして少なくありません。
 これまで術後に腱鞘炎を発症する例は、リハビリと称して頻繁に自動運動を繰り返した結果と解釈しておりました。リハビリを処方するとすぐに腱鞘炎を作ってしまうとまで言われた時期もありました。

 術後すぐに腱鞘炎を認める例を経験したことから、Subclinicalな腱鞘炎によるものではないかと考えるようになりました。
 多くの例で非手術側の手にも腱鞘炎所見を認めることが出来ます。
 潜在性に腱鞘炎があり、外傷や手術による手の浮腫や腫脹が腱鞘にも波及し腱鞘内腔が狭窄し腱滑走により腱鞘がしごかれ、腱鞘炎が発現されたのだと思います。


 橈骨遠位端骨折後のリハビリでの遅発性に正中神経障害を呈する手根管症候群も、Sub-clinicalな腱鞘炎ないし手根管症候群の結果の症状発現と考えられるのではないでしょうか。


 そうしますと後療法を進めていくうえで術後の合併症対策とリスク管理に加え、Sub-clinical対策も必要になるのだと考えます。
2015. 12. 10  
OTの訪問者各位

 私が務めております八王子の病院でOTを募集しております。
 経験は不問です。目標を持って日々の診療に携わる方を望みます。
 詳しくは、右欄にあります『ご意見はこちらから』から①氏名②現勤務地③OT経験年数④メールアドレスを送信して下さい。
 ご連絡を頂きましたら、私からご連絡を差し上げます。

阿部幸一郎
HAND maintenance studio
hms
訪問者数
プロフィール

阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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