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2020. 03. 15  
胸郭出口症候群についてのご相談
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 はじめまして。
 Mと申します。30代女性です。
 胸郭出口症候群が改善せず、相談させて頂きたいです。
 4週間前から右母子・示指と母指球のあたりに間欠的にしびれ感が生じていましたが、日常生活は困らず普段通りの生活をしていました。
 2週間前に近くのカイロプラクティックに相談し、胸郭出口症候群ではないかと言われました。
 1週間前から右前腕橈側、右上腕尺側近位も間欠的にしびれ感が生じるようになり、上記のカイロプラクティックを再度受けましたが、日常生活へ支障が少しずつ出てきております。
 座位で床の上の物を整理するとしびれ感が生じます。右手を提げたり、挙げたり、デスクで手を伸ばすとしびれるので避けています。
 リュックで重い物をもつことはやめました。以前肩こりが平泳ぎで改善した経験があり、"胸郭出口症候群 水泳"で先生のブログに辿り着き記事を拝見しました。本日からプールに通おうと思います。
 お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。



 ご質問ありがとうございます。
 しびれは辛いですね。しびれは神経の悲鳴ですので、早く消退されることが望まれます。
 文書から胸郭出口症候群が疑われますが、診断できる医療機関できちっと診察してもらうことをお勧めします。

 しびれが間欠的とあります。
 間欠的ということは、神経にとって穏やかな時と血流が障害され悲鳴を上げる時とがあるということです。
 しびれがない。しびれが軽減するといったことを“快”とし、
 しびれる。しびれが強くなるといったことを“不快”とします。
 私は胸郭出口症候群の方を診る際に、症状誘発と症状緩解を観察します。誘発は不快、緩解は快です。それがリハビリのヒントとなります。
 先ずは、この快と不快を観察した生活を送って下さい。
 どうすると快となるのかを探って下さい。快は推奨されます。
 どうすると不快となるのかを探って下さい。不快な姿勢や作業は避けます。

 「右手を提げたり、挙げたり、デスクで手を伸ばすとしびれるので避けています。」とあります。
 「提げたり」では、腕神経叢の牽引による刺激症状で撫で肩と肩甲骨挙上筋(肩甲挙筋、僧帽筋上部線維)の筋力低下が考えられます。
 「挙げたり」では、肋骨と鎖骨の隙間で圧迫されての刺激症状で、前鋸筋の筋力低下を、
 「デスクで手を伸ばすと」では、腕神経叢の滑走制限が考えられます。

 他にも確認すべき点はあります。
 鎖骨上窩部の凹みをとにかく意識する。いつも意識する。作業時に意識することです。鎖骨上窩部の凹みを強調します。鎖骨が存在感ありありを私は“鎖骨美人”と言っています。鎖骨がはっきりと見えるようにするためには、肩甲骨を上にあげて、肩甲骨を前に出すようにしてみてください。上にあげるのは肩甲骨挙上筋、前に出すのは前鋸筋です。前述した筋ですね。
 この鎖骨上窩部の凹みは肋鎖間隙の拡大を意味します。肋骨と鎖骨の隙間を開けるということで腕神経叢の圧迫を取り除くということになります。

 前ならいして、手首と指を反らします。そのまま、ゆっくりと腕を横に開いてください。しっかりと真横まで症状が強くならないまま開けますか? 30代女性では無症状で開くことが出来ます。これが出来なければ腕神経叢の滑走制限ありと判定します。

 確かに私は水泳を勧めておりますが、水泳だけで治ると思わないで下さい。
 水泳を勧めるのは肩甲帯周囲筋の筋力強化を目的としております。でも、筋力が強化されたからと言っても改善するものではありません。その筋力を有効活用しなければなりません。望ましい姿勢保持です。腕神経叢が心地よい環境を作るということです。先に述べた鎖骨上窩部の凹みは基本肢位となりますので参考にして下さい。
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2020. 03. 05  
 肘外側の痛みを考える

 肘関節の外側の痛みを訴えられたら上腕骨外側上顆炎(外上顆炎)をまず疑うと思います。外側上顆部の局所的な痛み、圧痛であればほぼ間違いないと思います。
 しかしながら、外側上顆部でなく、外側上顆より指にして2本分くらい遠位、橈骨頭よりも少しだけ遠位に痛みを訴える場合には診方を変えなければなりません。

 痛み方も確認します。
 運動時の痛みなのか、安静時の痛み(自発痛)なのかを区別します。手を使う時だけ痛むと、手を使っている時も寝ている時も痛むとは大きく異なります。また、肘外側の痛みの他に、前腕背側や橈骨神経支配領域にかけてのしびれや痛みの随伴症状の有無も確認します。

 外上顆炎では運動痛が主症状となります。外上顆の圧痛を認め、誘発検査であるThomsen testやMiddle finger testが陽性で診断は比較的容易です。外上顆炎では自発痛で辛いということはありません。睡眠の妨げられるということはありません。
 神経性なのか非神経性なのかの違いです。

 では、肘外側の自発痛が辛い例はどのように解釈すべきでしょうか。
 橈骨神経管症候群(RNS)を疑って診る必要があります。
 RNSは橈骨神経の絞扼性障害で、後骨間神経障害と区別します。

 橈側反回動静脈、短橈側手根伸筋腱(ECRB)、Frohseのアーケードによる絞扼と言われております。
 ECRB、Frohseのアーケードが絡みますので、Thomsen testやMiddle finger testが陽性になるため、誘発テストだけで判断できません。やはり痛みの性状を診る必要があります。

 外側上顆炎とRNSとを鑑別することは大切ですが、もう一つ、鑑別する必要がある疾患がります。TOSです。

 しびれがなく、肘外側の痛みを主訴とする2例のTOSについて報告してきました。

 外側上顆部の痛みに前腕背側の痛み、頚や肩の痛みや凝りが随伴しておりました。外側上顆炎が疑われましたが、自発痛ないし夜間痛だったので神経性の症状と考えました。Thomsen testは1例で、Middle finger testは2例で陽性であり、橈骨神経管に圧痛点がありRNSかと思われました。しかし、肩凝りや斜角筋の痛みも伴い、頭頚部の外傷歴もあるためTOSを疑い検査したところ誘発検査と緩解検査全てが陽性であり、TOSとの診断に至りました。
 TOSの症状で上肢のしびれは決して数的に多いものではなく、肩凝りは背部と凝り、痛みが多いとの報告もあり、「上肢のしびれと随伴症状という診方」ではスルーしてしまう症例は必ずいると思います。
 決めつけることなく、他疾患との鑑別は必ず行うべきである。
2020. 02. 12  
私が慈恵医大に勤務していた頃からお世話になっております手外科医の先生の施設でセラピストを募集しております。
常勤、非常勤で手外科経験者を募集しております。
都心の中央線沿線沿いです。
詳細は、右側のサイドバーの「ご意見はこちらから」に連絡して下さい。私からご返信いたします。
2020. 01. 09  
 ありがとうございます。
 受診の結果、示指、中指にへバーデン結節の所見を認めました。また、環指に腱鞘炎の所見があります。

  現在、痛み止めの処方とテーピングにて痛みの軽減を認め、経過観察となり再手術の話は無くなったようです。
 中指はDIPの痛みが消失し、PIPの痛みのみ残存しています。腱鞘炎は反対側にも認め、引き続きクーリングと掌側板のストレッチを指導しています。悪化するようならスプリントを勧めてみようと考えています。

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 ご返信ありがとうございます。
 折角、ご返信を頂きながら年を越してしまい申し訳ありません。今年もよろしくお願いします。

 2年前のOT学会のイブニングセミナーで講演した中で、”CTS hand”という言葉を使用しました。
 これは他の文献から引用した言葉でなく、私が臨床で常に考えていた言葉です。
 CTSは手根管症候群ですから正中神経の刺激症状と脱落症状が混在している手をイメージされると思いますが、CTSに合併しやすい腱鞘炎症状も加わります。正中神経支配領域のしびれや感覚障害、対立障害に、腱鞘炎症状である手の浮腫み、こわばり、指節間関節の可動域制限、痛みなどが加わった手です。
 このイブニングセミナーでは、CTS hand=CTS(正中神経症状)+腱鞘炎症状として話をしましたが、最近では、母指CM関節症、へバーデン結節が加わっております。また、へバーデン結節を有する例には、これに合併するブシャール結節も加えております。

 これらを患者さんは、これらを一つ一つ区別して訴えてきますか?
 訴えてきませんね。

 これらは閉経期以降の中高年の女性の手に認めやすい疾患です。手の使用過多も考慮すべきです。
 これらの診断名の内、どれか一つの診断名が付けられた手を診る際には、これらの存在の有無を注意深く診る必要がります。
 それができるのは、ハンドセラピストしかいないと思っております。
2019. 12. 10  
ご相談
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いつもお世話になっております。先生にご相談・アドバイスを頂けたらと思い連絡させて頂きました。

50代女性、仕事はスーパーの深夜帯から朝までパートで働いています。X月頭に中指の腱鞘切開を行いました。先生からはA1~A2までの高度な肥厚を認め、屈曲の運動を行うよう指示がありリハビリ開始しました。

最初は腫れも強く、術部に炎症が続いていましたが、クーリング・高挙手を指導しFPD1横指まで可能となっています。しかし、DIP関節の可動時痛が強く、仕事に支障をきたしています。仕事のない日は良いと言っていました。
現在、MP屈曲90度伸展-5度、PIP関節屈曲90度伸展-10度、DIP関節屈曲30度伸展-10度です。PIP関節は他動運動で伸展5度まで可能なのですが、DIPは痛みが強く動かせない状態です。
このまま痛みが続くようなら、再手術かもと先生から言われたらしく、どうにかならないかと相談を受けています。
以前セミナーを受けた際に、側索の移動がうまくいかないとDIPの可動域は確保されないと言われてたのを思い出し、もう一度見直しています。
この場合、まず、MPの掌側版のストレッチを重点的に行い、最低でも各関節伸展制限を改善させていけばよいのでしょうか?教えてください。

宜しくお願いします。



ご質問ありがとうございます。

腱鞘切開したからと言って腱鞘炎由来の症状と考えない方がよろしいと思います。
キーワードは、50代、女性でお仕事をしているということ。DIP関節の動作時痛ということです。
①DIP関節の腫脹
②X線像でDIP関節の関節裂隙の狭小、骨棘の有無
③中指以外の指の症状
を確認してください。へバーデン結節が疑われます。
へバーデン結節が否定されるのであれば、再度検討させてください。
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プロフィール

阿部幸一郎

Author:阿部幸一郎
作業療法士、認定ハンドセラピスト

 日常の臨床で手のリハビリに携わるセラピストを応援し、自分自身も切磋琢磨することを目的に、2011年7月にこのHAND maintenance studioを発足致しました。
 特に、指導者がいないセラピスト、数少ない手外科の患者をどのように診ていいのか迷うセラピスト、総合病院で手外科に専念できないが興味があるセラピストなどを応援します。
 そのため定期的な手のリハビリテーション(ハンドセラピィ)に関するセミナーを企画開催しております。
 また、手のことでお悩みがある方に対しては相談や運動指導を直接行っております。
 ご遠慮なく、訪問して下さい。

Twitter:@hand_abe(フォローをお待ちしております)

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